天馬トウショウボーイ
※画像はイメージです。(Canvaを使用した執筆者本人による作品)
天馬
今も競馬ファンの間で語られるトウショウボーイ。
天馬と称されたトウショウボーイはTTGの1頭として、テンポイントとグリーングラスと共に70年代の競馬界を盛り上げた1頭だ。
今回はトウショウボーイのレースの中でも、テンポイントとグリーングラスとの対決に焦点を当てていこう。
この記事を読みながらでも、読み終えた後でも、実際の映像と照らし合わせて見ると面白いかもしれません。
※この記事は、TTG対決のみを扱っています。
☆TTG対決テンポイント編はこちらから。
☆TTG対決グリーングラス編はこちらから。
4歳新馬戦(vsグリーングラス)
初対決の新馬戦
後に天馬と称されるトウショウボーイのデビューは、4歳になった年明けの1月。
デビュー前より注目を集めていた事で、当レースでは1番人気に支持された。
また同時に、第3の男グリーングラスもデビュー戦を迎えていた。
レースでは後の活躍を予感させるかの如く、トウショウボーイは圧倒的な走りを見せる。
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直線で後続を突き放し、他馬を寄せ付けずゴールイン。
3馬身差の圧勝劇。
1番人気の期待に応えて、デビュー戦を見事勝利で飾った。
※馬齢は旧表記
第36回皐月賞(vsテンポイント)
クラシック初戦、TT初対決
次なる舞台は、クラシック初戦の皐月賞。
トウショウボーイはこのレースで、初めてテンポイントと対決した。
スタート直後に中団馬群の前目をキープしたトウショウボーイは4、5番手に控える。
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内を走っていたトウショウボーイは、第3コーナー手前で進路を外へ変える。
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進路を変えた後、そのままの位置から最後の直戦に入る。
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持ったまま先頭に躍り出ると、残り200mで完全に抜け出す。
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その勢いは止まる事なく、他馬を突き離しゴールした。
テンポイントだけでなく、全ての馬を寄せ付けない走りを見せた。
2着に5馬身差をつけての圧勝。
強い競馬でクラシック一冠目を手にした。
第43回東京優駿(vsテンポイント)
夢と二冠
一生に一度の晴れ舞台にやって来たトウショウボーイ。
日本ダービーでクラシック二冠を手に出来たのだろうか。
好スタートを切り一気に先頭に出ると、そのまま第1コーナーを制し、第2コーナーを通過。
その後、先頭とほぼ差の差ない2、3番手に抑える。
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向正面に入ると再び先頭へ返り咲く。
2400m、まだまだ先は長い。
しかしトウショウボーイは常に先頭に立ち、第3コーナー手前で少しずつ後続との差が広げる。
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最内から最後の直線を迎える。
しかし、クライムカイザーが直線で一気に加速し、突き放しにかかる。
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トウショウボーイは差し返えしにかかったが、夢は届かなかった。
悔しいダービーでの2着。
後少し直線が長かったら、差し返していたかもしれないレースだった。
皐月賞との二冠達成はならなかった。
第37回菊花賞(vsテンポイント、グリーングラス)
二冠獲り、初の三つ巴戦
トウショウボーイはクラシック三冠レース皆勤賞。
ダービーのリベンジを晴らすべく、菊花賞で二冠に挑んだ。
レースでは3000mと経験した事ない距離でありながら、トウショウボーイはスタートから鼻を奪う勢いで先頭集団へ。
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やがてトウショウボーイは内埒沿い5番手に位置を取る。
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1周目の正面に入ると、さっきまで内埒沿いにいたトウショウボーイは外に進路を変更。
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テンポイントと並ぶような形で再び向正面に入り、その直後にトウショウボーイは2番手に上がる。
これを見るようにテンポイントも上がる。
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坂の下りに入ると先頭へ躍り出たが、すぐ後ろにはライバルのテンポイントも追随する。
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トウショウボーイは、外から最後の直線に入ったが、すぐ後ろにいたテンポイントに交わされる。
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巻き返しをはかるが、テンポイントよりも後にゴール版を通過した。
しかし菊を制したのはテンポイントではなく、12番人気の伏兵、新馬戦で対決したグリーングラスだった。
未だ経験した事の無かった3000mの長距離を走り抜いたトウショウボーイは、ダービーの雪辱と二冠を狙うものの3着。
三冠レースは全て3着以内という好成績だった。
第21回有馬記念(vsテンポイント)
初の古馬戦となった暮れの有馬
4歳最後のレースとして有馬記念に挑んだ。
トウショウボーイは、このレースで古馬と初めて対決する。
いつも通りのスタートを切ったトウショウボーイは、先頭集団へ入ったテンポイントに続いて5番手へ。
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外を走り、内を走るテンポイントを少し後ろで見て、正面スタンドを通過。
前との差は、およそ2馬身。
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向正面に入ると先頭でポジション取りが始まったが、トウショウボーイは5番手をキープしたまま。
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その後、第3コーナー手前でエリモジョージが先頭に立つと、トウショウボーイはそれに続いて2番手に。
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最終コーナーを立ち上がり、トウショウボーイがエリモジョージを交わして先頭立つ。
その後ろでテンポイントが2番手に上がる。
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もの凄い勢いでテンポイントが捉えにかかるも、トウショウボーイが粘り勝ちを収めた。
若さなど関係の無い貫禄のある走りで、ライバルとの差を縮まらせる事はなかった。
初の古馬戦である有馬記念を制覇した。
※馬齢は旧表記
第18回宝塚記念(vsテンポイント、グリーングラス)
古馬になって初めての三つ巴戦
6頭だての少ない頭数であったものの、内枠2番から挑んだ宝塚記念。
テンポイントとグリーングラスも出走する、久しぶりのTTG対決となった。
全馬上手くスタート決めると、トウショウボーイは内からスルスルと鼻を奪う。
先頭をキープしたままスタンド前を通過。
1馬身後ろにはテンポイントがいる状況。
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後続との差は縮まる事はなく、向正面を駆け抜ける。
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第3コーナー付近で後ろの2頭、グリーングラスとテンポイントが並びかけて来る。
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3頭の差はほぼなくなり、僅かに先頭で走っていたトウショウボーイは最内で直線を迎える。
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先頭のトウショウボーイにテンポイントが猛追して来たが、先頭は譲らなかった。
3/4馬身差で宝塚記念制覇。
今回の三つ巴戦の軍配はトウショウボーイに上がった。
テンポイントが、もの凄い脚で上がって来たが、それ以上にトウショウボーイの脚が粘り強かった。
第76回天皇賞(vsグリーングラス)
普段とは違った秋の天皇賞
今とは違い、府中の3200mだった秋の天皇賞。
今年負け無しのトウショウボーイは1番人気に支持された。
ここも勝って、昨年の有馬記念から続く連勝記録を伸ばしたい。
勢いよく飛び出し先頭に立とうとするトウショウボーイだったが、やがて4番手に落ち着く。
トウショウボーイの後ろをグリーングラスが追走する。
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歓声が大きく聞こえる正面スタンドに入った後、トウカンタケシバが4、5馬身離す展開となるが、トウショウボーイは落ち着いた走りを見せ2番手で通過。
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第1コーナーを曲がり先頭との差がなくなると、後続も段々と密集し始める。
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向正面の中間あたりで馬群はさらに固まり、トウショウボーイは第3コーナーで先頭に躍り出る。
共にグリーングラスも上がる。
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2頭が並んでコーナーを曲がり最後の直線を迎えると、残り400mを通過した時点でトウショウボーイが抜け出す。
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しかし、内から来たクラウンピラードと外から来たホクトボーイに交わされ失速。
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その後、トウショウボーイは差し返す事なく馬群に沈んだ。
自己ワーストとなる7着で秋の天皇賞を終え、ここで連勝記録が途絶えた。
直線で交わされてから一気に力が抜けたように見えた。
第22回有馬記念(vsテンポイント、グリーングラス)
天馬のラストラン
三つ巴戦連勝を狙うトウショウボーイ。
トウショウボーイは、このレースを持って現役引退を決めていた。
有終の美を飾る舞台は整った。
スタート直後に勢い良く先頭に立ち、先頭で大観衆の目の前を通過。
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先頭のままコーナーを曲がると、内からテンポイントが並びかけて来る。
先頭の2頭が併せる形となり、3番手とは5馬身ほど離れる展開に。
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トウショウボーイは向正面の中間で抜け出したが、最後の直線へ入る手前ではテンポイントと並ぶ。
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最後の直線、テンポイントとの叩き合い。
ここで、グリーングラスも外からトウショウボーイに襲いかかる。
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テンポイントが抜け出し、僅かに先着。
その直後にトウショウボーイはゴールした。
2着となったトウショウボーイは前との差は僅かに3/4馬身。
最後の三つ巴戦を終えた。
これにて天馬トウショウボーイはターフに別れを告げた。
さいごに
※画像はイメージです。(Canvaを使用した執筆者本人による作品)
天馬と称されたトウショウボーイ。
今回はトウショウボーイに焦点を当て、TTG対決をファンの目線で見ていった。
実際に観た事はなく映像越しだが、強さはというものは分かるものなのだなと。
トウショウボーイの現役時代の競走映像は今も尚、残っているので、この記事と照らし合わせてみたりすると、また新たな発見があるかもしれません。
人によって観る部分、思う部分が異なるかも。
トウショウボーイの情報
トウショウボーイ(牡馬・鹿毛)
1973年4月15日生
1992年9月18日没 19歳(旧20歳)
父テスコボーイ
母ソシアルバターフライ
母父ユアホスト
[生産者]
藤正牧場
[馬主]
トウショウ産業(株)(北海道静内町)
[調教師]
保田隆芳(東京)
[厩務員]
長沼昭二
[競走成績]
15戦10勝
[主な勝ち鞍]
1976年 皐月賞(八大競走)、有馬記念(八大競走)
[獲得タイトル]
1976年 優駿賞年度代表馬、優駿賞最優秀4歳牡馬
1984年 JRA顕彰馬
(参考:Wikipediaより)
☆TTG対決テンポイント編はこちらから。
☆TTG対決グリーングラス編はこちらから。