流星の貴公子
※画像はイメージです。(Canvaを使用した執筆者本人による作品)
医療に多大なる貢献
競馬界に今もなお語られるTTGの3頭。
今回は流星の貴公子と呼ばれ、競馬界の医療にも大きく貢献したテンポイントを見ていこう。
トウショウボーイとグリーングラスとの対戦や如何に。
※この記事は、TTG対決のみを扱っています。
☆TTG対決トウショウボーイ編はこちらから。
☆TTG対決グリーングラス編はこちらから。
第36回皐月賞(vsトウショウボーイ)
トウショウボーイと初対決 皐月賞
テンポイントと1番最初に対決したのは、トウショウボーイだった。
舞台はクラシック三冠の初戦である皐月賞。
初顔合わせが大舞台だった。
テンポイントは外枠からのスタート。
好スタートを切り、ぐんぐん馬体を押し上げて一気に3番手まで上げる。
▽
その後、向正面では位置取りの為か、およそ10番手あたりまでポジションを下げて行く。
▽
大外から最後の直線を迎えたテンポイントは、前を走るトウショウボーイに挑む。
▽
大外一気で3頭をゴール手前で交わすもトウショウボーイには届かなかった。
トウショウボーイとの初対決は、直前で差が開き、遥か先でゴール板を通過された。
テンポイントは、5馬身差の2着であった。
着差はかなり大きかった。
第43回東京優駿(vsトウショウボーイ)
生涯一度の晴れ舞台
皐月の雪辱を晴らすべく、大一番に挑むテンポイント。
二冠がかかっている皐月賞馬トウショウボーイも、当然参戦。
誰もが出るからには勝ちたい日本ダービー。
テンポイントはスタートを決めると、鼻を奪ったトウショウボーイの少し後ろ、5番手あたりで正面スタンドを通過して行く。
▽
向正面に入った後も、依然として5番手をキープ。
▽
第4コーナーから最後の直線に向くが、トウショウボーイは遥か先を走っている。
(皐月賞とは何かが違う様に見えた)
▽
その後テンポイントは伸びて来ず、皐月での雪辱を晴らすどころか、歯痒い結果となってしまった。
皐月賞で魅せた直線での末脚を披露かと思ったが、その姿は無かった。
テンポイントは、7着でダービーを終える。
実はこの時、レース中に骨折をしていた。
幸いにもこの時は、復帰が可能な程度の骨折だった。
第37回菊花賞(vsトウショウボーイ、グリーングラス)
初の三つ巴戦と3000m
三つ巴戦初対決かつグリーングラスとは初顔合わせとなった、クラシック最終戦菊花賞。
淀の3000m、テンポイントとトウショウボーイの2頭が人気を分けた。
誰もが二強対決になると思っていた。
スタート後に一気に先頭まで上がったテンポイントは、やがて3番手に落ち着く。
▽
1周目の正面スタンドに入るも、テンポイントは変わらず3番手をキープ。
▽
再び向正面へ入る手前、トウショウボーイと並ぶ形となる。
▽
向正面に入った直後、2番手に上がったトウショウボーイをマークし、テンポイントも馬体を押し上げる。
▽
第3コーナーの坂の下りでトウショウボーイが先頭に立ち、それを見るように外からテンポイントは仕掛ける。
▽
テンポイントは、最後の直線で抜け出しトウショウボーイに差をつけたが、最内にグリーングラスがいる。
▽
ラストは内にいたグリーングラスとの対決となるが、グリーングラスの粘り勝ちだった。
ダービーで骨折したが、3000mの菊花賞を2着で走破。
そして、この年の菊花賞を制したのはグリーングラスだった。
驚くべき事に、12番人気と伏兵だった。
第21回有馬記念(vsトウショウボーイ)
初タイトルを狙う
無冠の返上をしたいテンポイントは、有馬記念で初のビッグタイトルを狙いたい。
このレースにも、トウショウボーイが出走していた。
タイトル獲得は一筋縄ではいかなそうだ。
テンポイントはこの日も絶好のスタートを切り、4番手に上がって行く。
トウショウボーイがその後方に続く。
▽
進路を内に取ったテンポイントは、最初の正面スタンドを、 先頭の4頭より2馬身後ろで通過。
▽
向正面では早くも先頭でポジション取りが始まる中、テンポイントは4、5番手を追走する。
▽
第3コーナーでエリモジョージが先頭に立つと、トウショウボーイが追って2番手に上がる。
それに対して、テンポイントも続く。
▽
最終コーナーを立ち上がり、トウショウボーイがエリモジョージを抜き去る。
その直後、テンポイントもエリモジョージを交わし 2番手に上がる。
▽
テンポイントは、トウショウボーイを捉えにかかるが差は縮まらなかった。
結果は2着であった。
無冠の返上ならず。
4歳時にはライバルに勝つ事は出来なかった。
次年度の古馬の舞台で、忘れ物を獲りに行きたいところだ。
※馬齢は旧表記
第75回天皇賞(vsグリーングラス)
無冠の返上
今回こそ無冠の返上をしたいテンポイント。
古馬になって初のTTG対決はグリーングラスとの春の天皇賞だった。
菊花賞よりも200m長い3200mであり、対するグリーングラスは長距離が得意。
どちらが勝ってもおかしく無いレースだ。
スタート後にテンポイントは5、6番手に落ち着く。
内枠からのスタートとなったグリーングラスは早くも2番手へ上がる。
馬群は密集せずバラける展開に。
▽
テンポイントは、最初の正面スタンドを馬群の真ん中のやや内側で通過。
大声援の前でも落ち着いている。
▽
テンポイントは向正面に入る手前で、グリーングラスの真後ろに続く。
▽
第3コーナーでレースが動き始めると、馬群が密集し、テンポイントは坂の下りで先頭に立つ。
▽
最後の直線を外から迎えて、他馬との差を広げる。
最内からグリーングラスも来る。
▽
昨年の菊花賞と同じ位置での叩き合いに。
今回のレースでは外を走ったテンポイントが見事勝利した。
3200mの長距離戦を勝利で飾った。
春の盾を獲得し、無冠の返上を達成したのだ。
着順は違えど、直線での構図が昨年の菊花賞を彷彿とさせる展開だった。
第18回宝塚記念(vsトウショウボーイ、グリーングラス)
この年初の三つ巴戦
昨年の有馬記念以来、古馬となっては初の三つ巴戦となった。
三つ巴戦では、まだ勝利の無いテンポイント。
舞台となるのは宝塚記念。
三つ巴戦の初勝利を狙いに行く。
テンポイントは3枠だったが、頭数が6頭の為、ほぼ真ん中からのスタート。
▽
テンポイントは、トウショウボーイが鼻を奪ったのを見ると、それをマークして最初のコーナーへ。
▽
テンポイントの半馬身差にグリーングラスがいる。
▽
向正面に入った後も依然として2番手をキープするテンポイント。
▽
テンポイントは、第3コーナー付近に差し掛かると、並びかけて来たグリーングラスと同時に自身も動き始める。
▽
テンポイントは、TTGの3頭がやや横並びの状態の中、最後の直線を真ん中で迎える。
先頭のトウショウボーイとの差もなくなる。
▽
テンポイントは、僅かに前を走るトウショウボーイに襲いかかるも届かなかった。
テンポイントは、トウショウボーイに僅かに先を越され2着。
トウショウボーイの粘り強さが、テンポイントの豪脚を上回った。
3/4馬身差で三つ巴戦を制す事が出来なかった。
第22回有馬記念(vsトウショウボーイ、グリーングラス)
最初で最後の三つ巴戦制覇
トウショウボーイが引退レースとして臨んだ為、最後の三つ巴戦となった有馬記念。
最後のチャンスとなるテンポイントは、三つ巴戦初勝利を狙う。
テンポイントはスタート後、先頭に立ったトウショウボーイの後ろを着いて行く。
▽
テンポイントは、先頭のトウショウボーイをマーク。
2番手をキープし、正面スタンドを通過。
▽
コーナーを曲がり、内からトウショウボーイに並びかける。
3番手以下との差を5馬身ほど広げる。
▽
中盤に差し掛かりトウショウボーイが差を付け始めたが、テンポイントが再び並びかけ最後の直線を迎える。
▽
テンポイントは最後の直線、トウショウボーイを交わし先頭に立つ。
テンポイントの差し返しとグリーングラスの猛追を振り切り先頭でゴールした。
有馬という大舞台で見事に1着でゴール板を駆け抜けた。
テンポイントは、三つ巴戦初勝利かつ最終対決を制した。
宝塚記念と同じ3/4馬身差であったが、今回はテンポイントが先着となった。
さいごに
※画像はイメージです。(Canvaを使用した執筆者本人による作品)
70年代の映像でも、テンポイントの馬体の美しさには目を奪われる。
有馬記念の後に出場した、翌年の日経新春杯での悲劇。
骨折を治す為に様々な治療が施された。
しかし、43日間の闘病生活の末、この世を去った。
医学の発展にも大きく影響を与えた、流星の貴公子テンポイント。
現役を全うし無事に引退、そして種牡馬になっていたら、どんなスターが誕生していたのだろうか。
テンポイントの情報
テンポイント(牡馬・栗毛)
1973年4月19日生
1978年3月5日没 5歳(旧6歳)
父コントライト
母ワカクモ
母父カバーラップ二世
[生産者]
吉田牧場(北海道早来町)
[馬主]
高田久成
[調教師]
小川佐助(栗東)
[厩務員]
山田幸守
[競走成績]
18戦11勝
[主な勝ち鞍]
1977年 天皇賞(春)(八大競走)、有馬記念(八大競走)
[獲得タイトル]
1977年 優駿賞年度代表馬
1975年 優駿賞最優秀3歳牡馬
1977年 優駿賞最優秀5歳牡馬
1978年 優駿賞マスコミ賞
1990年 JRA顕彰馬
(参考:Wikipediaより)
☆TTG対決トウショウボーイ編はこちらから。
☆TTG対決グリーングラス編はこちらから。